【連載開始!】SDGs の話を聞きに行こう!  第1回:フェアトレード商品を扱う『るま・ばぐーす』さん

5月はフェアトレード月間でした。

フェアトレードとは文字通りに言えば「公平な貿易」のこと。

貿易のしくみを公平にすることで、特に開発途上国の小規模の生産者や労働者が貧しい暮らしから抜け出し、地域や環境を守りながら持続可能な社会を実現させることができるのです。SDGs の理念にも通じますね。

私たちのまちにもフェアトレード商品を扱うお店があります。環境に配慮し、しかも美味しく、生産者の顔が見える商品たち。

そんな商品を長く扱っている『るま・ばぐーす』の岩佐園子さんにお話を伺いました。

 



▶今日はよろしくお願いします。まずフェアトレード商品ってどういうものでしょうか

 

(岩佐さん)普通の貿易のルートだと原材料を安く仕入れて利益を得ますが、貧しい国の生産者は「買いに来た人」に売るしかなく、どうしても買いたたかれてしまいます。日本にいながら商品を売り買いできるサポートをしたいと始めたのが今のお店のスタートでした。私は当時は主婦でしたが、弱い立場の生産者を応援したかった。適正な価格で身体にやさしく良い商品を購入し、生産者を守りたかったんです。

 

— お店を始めて今年で 24 年目。最初は「珍しい商品がありますね」と言って店に入ってこられるお客さまも多かったそうです。

 

 

 

 

 

▶ お店では最初の頃は何を取り扱っていたんですか

 

(岩佐さん)コーヒー、紅茶から始まって…。最初は衣類とか雑貨が多かったですね。身の回りの材料を使って作るものが多かったです。お店に来てくださるお客さまも「珍しいものを置いているのね」とよく手に取ってくださいました。

アジアを中心として生産国もいろいろですね。日本から遠いところでは南米やアフリカのコーヒーも扱っています。アフリカのアクセサリーなどもありますよ。

 

だんだん商品の種類が増えていって、今はどのくらいあるのか、私にもわからないくらいになっていますね(笑)。

 

▶ 日本国内の環境に配慮した商品も置いているんですか

 

(岩佐さん)人気の商品がありますよ。無農薬で、環境に負担がかからない作り方をしていて、顔の見える作り手さんのものを扱っています。顔の見える関係づくりも大切ですね。

 

 

― お店の人気商品、冷やしてくださった熊本産のオレンジジュースをいただきました。

 

うん!自然の甘味が身体に染みわたりました。一口飲んだだけで美味しさがわかります!

 

 


 

▶ 物の価値って、ただ商品を『見るだけ』ではわからないところがありますよね

 

(岩佐さん)そうですね。実際に作っているところを見たり、生産者さんに話を伺ったり、『知って納得する』ことって大事だと思います。お値段だけを見ると「ちょっと高いな」と思うけれど、その商品の歴史というか、出来上がるまでのストーリーを知ると『いい商品ですね。これください!』ということになりますね(笑)。

それもあって最近ではフェアトレードの中でも「食品」に力を入れてラインナップを考えているんですよ。やっぱり美味しいって嬉しいことですよね。冬場はフェアトレードのチョコレートも売れ筋の商品ですね。

 

 

▶ 食品が売れるということは、コロナの影響でおうちで過ごす時間が長くなったことも影響していますか

 

 

(岩佐さん)こんな時だから身体にいいものを食べたいと思うこともあるかもしれませんね。たまたま散歩がてらにお店を訪れてくださった方が「これを買おうかしら」とフェアトレード食品を手に取ってくださることもありますね。第3世界ショップの「カレーの壺」は昔からの人気商品です。美味しくて安心な材料を使っているなら、多少高くても選んでくださる方がいらっしゃる。身体のことを考える方も増えているように思います。

食べることは人間の基本です。環境によくない作り方をする商品は扱いたくないという気持ちですね。

 

 

▶ これからもフェアトレードを地元で根付かせていくために何をどうすればいいのでしょうか

 

 

(岩佐さん)まずこの「お店」をオープンにしておくことでしょうか。お店の中心にテーブルがあって、商品を見ながら椅子に座ってお話することもできますし、出会いもありますね。

 

今は学生さんが教科書でフェアトレードを学習していますね。うちは少し高齢のお客さまが多いのですが、若いお客さまが訪ねてくることもありますよ。そういう方にもいろいろお話していくのがいいと思いますね。

若い皆さんへの情報発信も必要だなと思ってTwitterも4年前くらいから始めました。

 

▶ ではフェアトレードを全く知らない若い人たちにメッセージを送るとしたら何を伝えたいですか

 

 (岩佐さん)やっぱりSDGsがらみで気持ちが目覚めてくれればいいなと思います。

メッセージとしては「美味しいものや素敵なものっていっぱいあるけど、作っている人のことは知っている?」と問いかけてみたいです。

作っている生産者さんはわからないけれど「安いから」という理由で買ってしまいがちじゃないですか。その中でも「あ、あの人が作ったジュースなのね、コーヒーなのね、チョコレートなのね」と興味がわくと思います。どんな生活をしているんだろう、とかね。

フェアトレードは人と人のつながりで商品を作って販売してきたことが原点ですから。長く続けていきたいですね。

 

 

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― ほんの少しでも地元での環境活動に携わっている者として、環境に配慮した商品をこんなにも扱っているお店があるということをもっともっと知らせていきたいという思いが、自分の中にも強く沸き起こりました。

 

岩佐さんが最後にお話しされたことが今でも心に残ります。

「環境問題、入り口はどこからでもいいんですね。つながるところは一緒ですから」

 

持続可能なSDGsの理念を感じつつ、これからもお店がずっと続いていきますように!と思いながら1時間近くに及ぶインタビューを終えました。

 


 

(ショップデータ)

 

 るま・ばぐーす

 

 三鷹市下連雀4-17-6 ミタカサンライズマンション1階

 (NTT三鷹ビル向かい・三鷹駅南口から中央通りを南へまっすぐ歩いて12分)

 

 TELFAX 0422-41-4666

 営業時間 11:0017:00(お問い合わせください)

 お休み 日・祭日

 

ホームページ https://rumah.e-ipoint.com/

 

 

Twitter https://twitter.com/RumahBagusStore?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor

 

 

                              *写真はお店スタッフの岩佐園子さん(左)と島田美津子さん(右)